大暑

二十四節気【大暑】
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大暑(たいしょ)

  • 7月23日頃
  • 黄経120度

真夏の太陽が照り付け、うだるような暑さが続く頃。夏の高気圧に覆われて一年でもっとも暑くなり、夏の土用のなかにあるのが大暑。

小暑・大暑の反対には小寒・大寒がある。

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大暑の七十二候

初候:桐始結花

【時期】7月23日~28日頃

【読み】きりはじめてはなをむすぶ

【意味】桐の実が結ぶころ/桐の蕾がつくころ

大暑初候

桐は、キリ科キリ属の落葉広葉樹で、4~5月頃に薄紫色の花を咲かせ、暑い盛りの頃に実を結びます。そのため「桐の花が咲き、実が固くなるころ」と解釈されることも多いのですが、「結実」ではなく「結花」となっていることから、「実」ではなく「蕾」のことを指しているとする説に説得力があります。

桐は夏の土用のころには翌年咲くための花の蕾をつけます。やわらかい毛に覆われた鈴のような蕾は、秋と冬の長い期間を経て花を咲かせるのです。

桐の木は成長が早く15~20年ほどで高さ10m前後の成木に育ちます。そのため、むかしは女の子が産まれると桐を植え、嫁入りの際にはその木を箪笥や長持ちにして持たせたと語られることもあります。しかし実際には、植えた桐の木そのものを箪笥などに仕立てたのではなく、木材として売ったお金で嫁入り道具をそろえたというのが正しいようです。

しかし実は、七十二候「桐始結花」の桐は「アオギリ」のことで、箪笥などに木材としてつかう桐とは別の種類のものです。アオギリは幹肌が青緑色で大きな葉がつく様子がキリに似ることから名付けられたアオイ科アオギリ属の落葉高木です。

平安時代ころに「鳳凰という瑞鳥がキリを選んで枝に留まる」という伝説が、中国から日本に伝わってきました。この「キリ」は「アオギリ」のことですが、当時平安王朝を支配していた藤原氏を象徴する「藤」の色から、「鳳凰がとまるキリ」として「紫色の花を咲かせるキリ」が意図的に混同されて神聖なものとなり、皇室のシンボルや政府の紋章にも採用されるようになりました。

次候:土潤溽暑

【時期】7月29日~8月2日頃

【読み】つちうるおうてむしあつし

【意味】大地も熱せられて蒸し暑い

大暑次候

土潤溽暑の「溽」は、蒸し暑いという意味です。

盛夏の鋭い日差しに照り付けられ、梅雨に水分をたっぷり含んだ大地が蒸し上げられると、湿度の高いゆだるような暑苦しさとなります。

鰻を食べることで有名な夏の土用がありますが、そうした食養生の他にも、軒先に風鈴を吊るしたり、葦簀よしずをかけたり、打ち水をしたりと暑さを乗り切るための様々な暮らしの知恵が暑気払いや納涼の文化として残っています。

末候:大雨時行

【時期】8月3日~6日頃

【読み】たいうときどきふる

【意味】ときどき大雨が降る

大暑末候

この時期は、夕方になると一時的に大雨が降ることがあります。いわゆる「夕立」といわれる気象現象で、雷雨や集中豪雨のことです。

夏の強い日差しで地面近くの湿った空気が暖められ、午後になると上空との気温差が大きくなるため上昇気流が起こって積乱雲となります。そのため暑い日でも空気が乾いているときは積乱雲が発生しません。

積乱雲は上昇気流によって縦方向に発達するため、横方向への広がりは狭く、局地的な雨を降らせるのが特徴です。また積乱雲の継続時間はだいたい30分から1時間程度と言われています。

また夕立のように突然大雨が降るゲリラ豪雨があります。発生のメカニズムは同じですが、夕立が夕方に発生するのに対して、ゲリラ豪雨は時間を問わず発生するものをさすそうです。

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