小暑

二十四節気【小暑】
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小暑(しょうしょ)

  • 7月7日頃
  • 黄経105度

梅雨が終わりを迎え、強い日差しに気温が上昇して暑い夏が訪れる頃。

小暑の終わりごろ(7月20日頃)には夏の土用入りをします。土用は次の季節への準備期間とも考えられていて、夏の土用の丑の日にうなぎを食べると夏バテしないという俗説は有名です。

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小暑の七十二候

初候:温風至

【時期】7月7日~11日頃

【読み】あつかぜいたる

【意味】熱気をもった風が吹いてくる頃

小暑初候

梅雨が明ける頃になると、日差しが強くなってどんどん気温が上昇していき、熱気をはらんだ温風が吹きます。温風あつかぜとは南風のことで、西日本では「白南風しろはえ」とも呼ばれます。白南風にたいして梅雨の風のことを「黒南風くろはえ」といいます。

七十二候の「温風至」は、山越えをして乾燥した風が吹き下ろすことにより気温があがる「フェーン現象」のことを指しているという説もあります。

この頃から次第に蝉の鳴き声が響くようになり、青空には入道雲が現われて、いよいよ夏本番の暑さとなっていきます。夏という言葉の語源は「熱」や「暑」という説もあり、暑さを労う「暑中見舞い」を出すのもこの頃です。

小暑から立秋の前日までが「暑中」となり、立秋に入ると残暑見舞いとなります。

次候:蓮始開

【時期】7月12日~16日頃

【読み】はすはじめてひらく

【意味】蓮の花が咲き始める頃

小暑次候

蓮は泥の多い池や沼を好み、7~8月に白やピンクの花を咲かせます。蓮の花は、夜明けとともに咲いて昼頃にしぼむのを3日間繰り返し、4日目に咲いたあとはそのまま散ってしまうと言われています。また、花托が蜂の巣に似ていることから「ハス」という名前が付けられたという説もあります。地下茎は食用として知られる「蓮根」です。

蓮は、その佇まいや生態から「清らかさや聖性の象徴」とされてきました。「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という有名な中国の成句があります。これは「泥から生えても汚れることなく美しく咲き誇る花と、水を弾いて大きく広がった葉の姿」が「俗世の欲にまみれず清らかに生きることの象徴」として捉えられたもので、そのイメージは仏教にも継承されています。

蓮の葉が水を弾く自浄作用のことを「ロータス効果」といいます。ナノテクノロジーの分野では塗料や布などにロータス効果を再現して、乾燥したきれいな状態に保つ方法の開発が行われています。

末候:鷹乃学習

【時期】7月17日~22日頃

【読み】たかすなわちがくしゅうす

【意味】たかのヒナが巣立ちの準備を始める頃

小暑末候

5月~6月に生まれたたかのヒナが、飛び方を覚えたり獲物の捕り方を練習して巣立ちの準備を始めるころです。

タカの語源は「猛々しい」の「タケ」が転じたものだそうです。

ワシやタカなどの猛禽類は食物連鎖の頂点に君臨していて、特にタカは自分より大きく重い獲物でも捕ろうとする習性があります。獲物を捕まえる時のスピードは、最高で時速80キロにも達するそうです。こうした鷹の習性や能力を利用して行う狩りが「鷹狩り」です。

鷹狩りは約4千年まえの中央アジアが発祥だといわれ、日本には4世紀半ばごろに伝わりました。鷹を扱う「鷹匠」は古事記にも登場しています。当時の鷹狩りは「君主の猟」と呼ばれ、皇族や貴族高官によって神事や儀式として行われました。

その後、武士の間で「武芸」として行われるようになり、明治時代の日露戦争のころには鷹の軍事利用も考えられていたそうです。

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