立秋

二十四節気【立秋】
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立秋(りっしゅう)

  • 8月7日頃
  • 黄経135度

朝夕の日差しが少しやわらぎ、吹く風に涼しさを感じはじめる頃。

暦の上では「秋」とされる「立秋」。8月7日頃というと実際には猛暑の真っ只中で秋とは程遠い。古今和歌集にも暦と実際の季節の食い違いを皮肉った和歌が詠まれるなど、二十四節気のなかでもとくに季節を先取りしている。

これは実際の季節ではなく、陰陽五行説の「陰極まって陽となり、陽極まって陰となる」という思想がが反映されているもので「もっとも暑い盛りにこそ涼しさを感じる」とされた。

立秋以降は、残暑とされる。

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立秋の七十二候

初候:涼風至

【時期】8月7日~12日頃

【読み】すずかぜいたる

【意味】暑さのなかに時折涼しい風が吹くようになる

立秋初候

立秋を迎える8月7日頃というと日中の最高気温が35度を超える猛暑日が続く頃です。

しかし「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、お盆が近づくにつれて朝夕の日差しは少しずつ和らいでいき、吹く風に時折涼しさが感じられるようになります。

次候:寒蝉鳴

【時期】8月13日~17日頃

【読み】ひぐらしなく

【意味】ひぐらしが鳴く

立秋次候

4月下旬ごろから晩秋まで、季節の移り変わりとともに鳴いている蝉の種類が変わります。

4月下旬から5月はハルゼミ、6月からはニイニイゼミ、7月初め頃からヒグラシです。その後、7月中旬ごろから夏の盛りにミンミンゼミやアブラゼミ。7月下旬ごろから8月にクマゼミが鳴き始め、8月中旬ごろからツクツクボウシが夏の終わりを締めくくります。

「蝉」は夏の季語ですが、「法師蝉ほうしぜみ」と「ひぐらし」は秋の季語とされています。

立秋の次候にある「寒蝉かんせん」は「秋告蝉あきつげぜみ」ともいわれ、秋の訪れを告げる蝉ということで、一般的には「ヒグラシ」とされています。

ヒグラシは「日暮」とも書かれるように、強い日差しが苦手な蝉です。そのため日の出前や日没後などの時間帯に「カナカナ」と鈴を振るような音で鳴きますが、薄暗い中に響く涼しげな鳴き声は物悲しく聞こえ、それに終わりゆく夏を感じたようです。

とはいえ、ヒグラシは遅くとも7月初旬には鳴き始めるため、8月中旬頃から鳴き始める「法師蝉=ツクツクボウシ(つくつく法師)」とする説もあります。

ちなみに夏の盛りに蝉が一斉に鳴く様子を「蝉時雨せみしぐれ」といいます。時雨とは一時的に降ったりやんだりする雨のことで、蝉の鳴く声が大きくなったり小さくなったりするのが、まるで時雨の降る音のように聞こえるという意味の言葉です。

末候:蒙霧升降

【時期】8月18日~22日頃

【読み】ふかききりまとう

【意味】森や水辺に深い霧が立ち込める

立秋末候

蒙霧もうむ」は、もうもうとたちこめる濃い霧のことです。水辺や森では早朝などに視界が遮られるほどの深い霧が白く立ち込めます。

霧は、地面に近い空気が冷やされると水蒸気が凝結して微小な水滴となり、それが空中に浮遊している現象です。

もやも現象としては同じものですが、見通せる距離が1km未満を「霧」、1km以上10km未満を「靄」として区別されます。ちなみに見通せる距離が100m以下(海上では500m以下)なら「濃霧」として注意報がだされます

似たものに「かすみ」がありますが、これは空気中の水滴やその他の粒子(ちりや煙など)によって、視界が白っぽくなったりぼんやりと見えたりする状態のことをいいます。春の霞は、夜になると霞はおぼろと呼ばれます。

気象用語としては1年を通して使われる「霧」ですが、これは秋の季語にもなっています。もともとは俳句などでも四季を問わず使われていましたが、平安時代頃から「霞」は春、「霧」は秋の季語とされました。

また、胸の内のわだかまりを「心の霧」といったり、溜息のことを「嘆きの霧」と表現したり、情緒的な言葉としても使われることがあります。

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