夏至

二十四節気【夏至】
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夏至(げし)

  • 6月21日頃
  • 黄経90度

一年でいちばん日が長く、夜が短い日。梅雨の真っただ中で雨が続き、日に日に暑さが増していく頃。

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夏至の七十二候

初候:乃東枯

【時期】6月21日~26日頃

【読み】なつかれくさかるる

【意味】ウツボグサ(夏枯草かこそう)が枯れるころ

夏至初候

「乃東枯」の「乃東だいとう」とは、ウツボグサや夏枯草かこそうの別名です。

ウツボグサは日本に広く分布し、日当たりのよい草原や土手などに生育している植物です。冬に芽を出し、夏の初めに淡紫色の花を穂状に咲かせます。

夏至の頃には花穂が茶色~黒っぽく変色して、枯れたように見えることから「夏枯草」とも呼ばれます。ウツボグサは多年草なので、花は枯れても植物自体が枯れるわけではありません。

「ウツボグサ」という名前は、花の形が「うつぼ」という矢を入れる道具に似ていることからつけられたそうです。

漢方では褐色になりかけた花穂摘んで乾燥させたものを生薬として用います。煎液は利尿作用や消炎作用があるとされ、塗布やうがい薬、内服として用いられる他、中国では薬用のほかに夏バテ防止の薬草茶としても飲まれます。

冬至の初候には、これと対となる「乃東生ず」があります。

次候:菖蒲華

【時期】6月27日~7月1日頃

【読み】あやめはなさく

【意味】あやめの花が咲き始める

夏至次候

あやめは、梅雨の到来を告げる花ともいわれます。

菖蒲華あやめはなさく」の「菖蒲」は、飛鳥・奈良時代にはショウブのことをアヤメと呼んでいたこともあり「あやめ草」を指すのではという説もありますが、花の咲く時期から「花ショウブ」とすることが多いようです。

「菖蒲」は、端午の節句に使う「ショウブ」と、梅雨の最中に鮮やかに咲く「アヤメ」のどちらも同じ漢字を書くのでややこしいのですが、ショウブはサトイモ科、アヤメはアヤメ科の植物です。

また、アヤメによく似た花を咲かせる「花ショウブ」や「杜若カキツバタ(燕子花)」があり、さらに混乱しやすいです。姿かたちがよく似ているため、甲乙つけがたいという例えとして「いずれ菖蒲あやめ杜若かきつばた」という言葉もあります。

咲く時期は少しずつずれていて、5月上旬にアヤメから咲き始め、5月中旬頃にカキツバタ、5月中旬~6月下頃にハナショウブが咲き出します。

ほかに見分ける方法としては、アヤメは乾いた場所に咲き、花びらの根元に網目のような文目模様があります。この文目(綾目)がアヤメの語源だそうです。カキツバタは水辺など湿地に咲き、紫の花の根元に一本の白い筋が入っています。花ショウブは湿地乾地どちらでも咲き、花弁の根元に黄色く細長い模様が入っています。ちなみに端午の節句に使われるショウブの花は地味な黄土色の花穂です。

末候:半夏生

【時期】7月2日~6日頃

【読み】はんげしょうず

【意味】半夏からすびしゃくが生え始める

夏至末候

半夏生はんげしょうとは、ドクダミ科の多年草の植物のことで、ハンゲやカラスビシャクともよばれ漢方薬にも使われています。

農家では、この花が咲く頃を、田植えを終える時期の目安としていました。

「ハンゲショウ」という名前は、夏至から11日目(7月2日頃)の雑節である「半夏生」の頃に花が咲くのでその名前がついたという説や、花が咲く前に上部の葉が数枚だけ半分ほど白く変色することから「半化粧」といわれたのが由来になっている説があります。

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